訪問介護サービスを守ることを求め、九大箱崎キャンパス跡地問題をただす
日本共産党の綿貫康代市議は、2024年9月6日に福岡市議会の一般質問に立ち、高すぎる介護保険料の引き下げとともに訪問介護事業所支援や介護人材確保のための処遇改善を進めることを求めました。また、九大箱崎キャンパス跡地開発で提案されている「スマートサービス」の問題点を追及し、不正常な市の関わりについてただしました。
福岡市の高すぎる介護保険料が今年もさらに引き上げられたことで市民から悲鳴があがっています。市民の暮らしを守るためにも市の一般会計から繰り入れも行い保険料を引き下げることが求められていますが、市は「適切でない」と否定的な態度をとり続けています。綿貫市議は、国会で厚生労働大臣が保険料引き下げのための自治体独自の繰り入れを否定しなかった答弁を示し、あらゆる手段を講じて引き下げを図るべきだと迫りました。また、今年4月より訪問介護の基本報酬引き下げで事業所の倒産が広がり、介護人材も不足する中で必要な介護サービスを利用できない高齢者が増大する可能性があります。綿貫市議は、訪問介護サービスのニーズが増える一方、介護人材は不足しており、その原因は専門職であり重労働であるにも関わらず処遇が悪すぎることだと指摘。市として訪問介護事業所への支援と介護職の処遇改善のために独自の補助金を出すべきだと求めました。市長は「国が定める制度の中で」と保険料引き下げのための一般会計からの繰り入れを否定し、介護人材確保のための市独自の補助金には背を向けました。
4月、住友商事を筆頭としたJR九州や西日本鉄道、西部ガスなどが参加する企業グループが九州大学箱崎キャンパス跡地の開発を担う優先交渉権者に選定されました。このグループは跡地を「先端技術の街」にするとして、最先端の通信技術やAIを活用した「スマートサービス」をおこなうことを提案しています。綿貫市議はこの「スマートサービス」で提案されている「AI見守りカメラ」や「健康情報を一元管理するPHR基盤」などについて、企業が個人情報を握りそれをもとに商売をするものであり、情報流出を防ぐ保障もなく、住民から要求されたものではないと批判。住民の要求である樹木量を抜本的に増やすことや広大な防災公園、過大規模校を生まないための学校用地の確保を求めました。
跡地開発の優先交渉権者の選定にあたり、審査委員の一人である副市長が今回選ばれなかった九電を中心とする企業グループを推すために「なりふり構わず」動いたことが西日本新聞や雑誌で報じられています。綿貫市議は、副市長の審査委員就任にあたり、市が方針を決裁せず、就任そのものの決裁文章も綿貫市議が資料を要求した後に作られた可能性があることを暴露。この背景には、公正公平な立場で審査に参加すべきだった副市長の「なりふり構わず九電推し」が問題になったときに市長の責任が問われないようにした疑いがあると追及しました。綿貫市議は、この不透明な審査過程と市長の関与について情報開示をおこない、住民要求を基本に据えた跡地利用にするために多くの市民が計画に参加できる仕組みを整えるなど、これまでの姿勢を改めるべきだと強く迫りましたが、市長は疑惑に答えず、市民参加の街づくりには消極的な姿勢を見せました。